やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

ぼくの好きな(好きだった)児童文学

前々から自分が好きだった児童文学についてまとめてみたいなぁと思っていたので、こういうのは順位をつけるようなものでもないと思うのですが、自分の思い出に残っている児童文学をいくつかランキング形式でご紹介したいと思います。

第3位

ひょんな事から長距離トラックで東京に来た黒猫ルドルフ.土地のボス猫と出会い,その日からこのイッパイアッテナとの愉快な野良猫生活が始まった…….

amazonの内容紹介より

いまだに自己紹介のたびに、「俺の名前はイッパイアッテナ‥」と頭をよぎるくらい、強い印象に残っている一冊。教育テレビでもアニメ(紙芝居?)をやっていたし、今更じぶんがどうこう言うまでもない、どメジャーな名作ですよね。話のディテールまでは覚えてないんですが、イッパイアッテナが本当に頼りがいがある存在で、なんかルドルフとイッパイアッテナのやり取りがとてもよかったように記憶してます。あと、たしか続編で、ルドルフがやっとこさ元の家に戻ったら既に別の猫が飼われていたという鬱展開があったような。。

第2位

野田達也は、マンガとテレビゲームが大好きな小学五年生。半年前から月に一、二度、まったく同じふしぎな夢を見る。ある日達也が商店街を歩いていると、夢に出てくる〈あいつ〉とそっくりなかわいい女の子が、進学塾へ入っていくところを目撃する。達也はその塾へ入ろうと決心した。

amazonの内容紹介より

ジュブナイル小説の王道と言えば「Boy meets Girl」ですが、この作品は「Boy meets Boy」。「シンジ meets カヲル」の例をあげるまでもなく、これもまたひとつの王道ですね。この作品の中に出てくる「あいつ(ノロ君)」というのが、やたらとかっこよく憧れました。作中でノロ君が「信長の野望」みたいなのをやっているのを見て、すごく「信長の野望」が欲しくなったのを覚えています。
この本はミステリーシリーズというシリーズのなかの一冊で、自分が小学生の頃はその他に「ミステリー新聞」「ミステリー学園」「ミステリーなぼく」といったシリーズ本があり、その全部が好きでした。大人になってから、ふとamazonを検索したら、このミステリーシリーズが全部文庫化されていて、しかもこの「ミステリーなあいつ」の世界観を引き継いだ続編が出ていると知った時は震えましたね。もちろん大人買いです。小学校の頃読んでた本の続編を大人になって読むというのは、小学校の頃の友達に再会したみたいな、不思議な感覚でした。

第1位

夏がくる。ユウのすむ街の中元大売り出しの福引きも、いよいよはじまる。ユウは、1等のサイクリング車をあてたくて、小学1年のときから6年間、夏がくるたびにデータをとり確率の研究をしてきた。しかも、今年は商店街最後の福引きで1等がフランス製の自転車、Le Ventだ。ユウの最後の賭けがはじまった。

amazonの内容紹介より

ユウ「福引き初日に一等の自転車が出てしまえば興ざめ。残りの福引きがだらだらと緊迫感のないものになってしまう。かといって最後の箱に一等を入れてしまえば、期間中に一等が出ない可能性がある。これが最悪。主催者側としては絶対に避けなければならない最悪の事態・・・・・・・・。つまり、主催者側が一等を出すとしたら今日、この日しかない。あまりにも明白!単純な論理(ロジック)!」
ざわざわ・・・・・・・・
というわけで、自分の福本伸行好きのルーツなんじゃないかと思われる一冊。福引きで一等を引くためにロジックを積み上げていくシーンが大好きで、繰り替えし何度も読んだ覚えがあります。とはいえ、この本の本当の主題は、この福引き部分じゃなくて、友情とか周りの人との関係とか、そういうところだったように記憶しているのですが、上記amazonの紹介文も完全に福引きメインですね(笑)。カイジとかライアーゲームが好きな方におすすめの一冊です。

番外編

ズッコケシリーズも好きでしたね。このシリーズのどれを好きだったかを聞けば、その人の嗜好がだいたいわかるというのが、いま作った持論なのですが、自分は特に上記株式会社と生徒会選挙の話が好きだったように記憶してます。Wikipediaによると「ズッコケ中年3人組」とか「ズッコケ熟年3人組」とか出てる(「熟年」はこれから出る)そうですが、少し興味を惹かれますね。


以上4冊(シリーズ)をあげてみましたが、いかがでしょうか。こうして見ると、やっぱり子どもの頃に読んだ本って、自分のアイデンティティ形成に大きく関係しているんだなぁと思います。自分の子どもにもいい本読ませたいです。
図書館で働いている人は、子どもの頃から本が好き、という方が多いと思うので、きっと皆さん自分のなかのベスト児童文学があるんではないでしょうか。たまにそうした本たちを思い出し、公共図書館とかで探してみるのも一興です。自分もこのエントリーを書いていたら、改めて読み直したくなったので、近々借りに行きたいと思います。
それでは。