やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

「台湾にみる次世代型図書館」を"見て"の小並感

 

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先日の図書館総合展で、個人的にお仕事関係なく見に行きたかったフォーラムが、大変ありがたいことに動画公開されていましたので、拝見させていただきました。

このフォーラムが気になっていた理由

自分は大学図書館の人間なので公共図書館は門外漢なのですが、最近の公共図書館の話題を見ていたら、どっちが"前"(次世代)なのかということすら、よくわからなくなってしまったので、海外ではどういう方向が"前"とされてるのかなぁと、下記のフォーラムの説明を見て気になってました。

今年オープンした新北市の新図書館は、10階建ての規模で24時間稼働、ICT技術を活用したユーザーインターフェイスで、知的な多世代の交流機能を実現している。次世代型の図書館のあり方を台湾の事例を紹介しながら検証する。(フォーラムの説明ページより引用)

感想を箇条書きで

  • 上記の説明にある通り、ICT機器がものすごく整備されていて、人が集まり、交流する"場としての図書館"という感じなのですが、そんな中でも読書にフィーチャーした機器・設備がいろいろあるのがいいなぁと思いました。講演されていた方も、本を読んでいただくことの重要性について繰り返し語られてました。
  • 特に下記の動画の4:18以降で紹介されている、部屋ごとのテーマに沿った什器が整備されていて、落ち着いた読書ができる読書室、というのがこういうのを初めて見たので面白いなぁと思いました。この部屋では意図的に電子機器を排除しているそうです。
  • バリアフリーをコンセプトの一つに掲げられていて、設計の際、床の高さを揃えるためにデザイナーと揉めたという話があり、やっぱりそういうのってあるのねと。
  • あんまり詳しくないのでわかりませんが、恐らく投入されている予算規模も日本とは全然違うのだろうなぁと思い、それは全体の予算規模からして違うからなのか、それともこういう社会教育施設にはお金をかけよう、という米百俵方針のためなのかということが気になりました。
  • 最後に司会の方が仰られていた、地域に図書館のファンを増やすことで、その有権者の声が政治家に届き、結果的に図書館予算の増大につながる、という話が面白かったです。別フォーラムの「公共図書館の役割を考える」を聞いていても思ったのですが、なんだかんだで景気って大事なんだなと。
  • このフォーラムが気になった理由である何が"次世代"なのか、ということはうまく言葉にできないのですが、下の動画を見ていただくと、方向性は伝わるのではないかと思います。自分自身があまり"場"として図書館を使うことがないので、果たしてこれが日本でも求められる方向性なのかはなんとも言えないのですが、いろいろと考えているうちに、目的さえ同じなら、方向性やその実現の形(目標)はいろいろでいいのかなぁなどと思いました。
  • じゃあ、その目的は何なのかということですが、個人的には、図書館法の第一条に「社会教育法の精神に基づき」とあるので、社会教育法の第三条あたりがその目的の大きなところなのかなぁと今は考えてます。

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図書館総合展の動画記録について

こんな風に、気になっていたけど参加できなかったフォーラムを視聴できる大変ありがたい動画記録ですが、実際見てみるとあんまり再生回数が多くないことに驚きます。話題になった貸出猶予の話があがったフォーラムやCCCの方が登壇されたフォーラムでも再生回数は3桁台でした(2015.11.24時点)。

図書館総合展の運営の方々がどういう意図で動画の公開をしてくださってるのかはわかりませんが、あんまり再生回数が伸びなくて今後の動画公開が減ってしまったりしたら嫌だなぁと思うので、なるべく再生回数が伸びるといいなぁと思います。

こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、ビールとか飲みながらほろ酔い気分でお話伺ったりするのも、動画ならではという感じで、なかなかオツなものです。(このフォーラムの動画を見たときは素面でしたが。)

最後になりましたが、動画を公開してくださった関係者の方々に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

参考

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