やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

ジャパンサーチと源氏香の謎

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ポケモンの完全新作の発表に日本中が湧いた2月27日、別の界隈では、とある話題が湧き上がっておりました。

そう、ついに待ちに待った、サムスピの新作の情報が公開されたのです

ジャパンサーチのベータ版が公開されたのです!

早速触ってみようと思い、ページを開いたところ、まず目を引いたのがこちらのロゴマークでした。

*以下のスクリーンショットは全て、出典:ジャパンサーチです。

このロゴなんのロゴ気になるロゴ

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最近、ちょっと自分の中でロゴブームのこともあり、ロゴを見ると、どういう考えで作られたものなのか、気になります。

国大図協のロゴのように、サイトに解説が載っているととても助かるのですが、ざっと見たところ、そうしたページはないようなので推測することしかできません。歯がゆい。

単純に考えると、横断検索サービスということで細かいパーツが集まり、和柄の亀甲を図案化したものを形作っていて、真ん中の色が違う部分がなんとなく "Japan Search" の”J”と "S" にも見える、みたいな感じかなぁと推測するのですが、真実は闇の中です。ぜひ解説ページを設けていただきたいです。

ちなみにロゴタイプで使われているフォントはなんなんだろ〜と気になり、こちらも少し調べてみました。"P"と"R"のあしらいが独特だから簡単にわかるだろ〜と思って、軽い気持ちで調べ始めたのですが、意外にピタリと来るものがなく、ハマってしまいました。

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手持ちのフォントでは、Athelasというフォント(上図下段)が一番雰囲気が近かったのですが、J,P,Rとかはもしかしたら手を加えているかもしれないにしても、よく見ると"A"の空き具合とかも全然違うし、う〜んという感じです。Adobeの同定ツールとかも使ってみたのですが、結局わからなかったので、こちらも答え合わせをして欲しいです。

結局何にもわからなかったんか〜い、という感じですが、残念ながらそうです。

最後に特筆したい点ですが、ロゴの画像ファイル形式がSVGで素晴らしかったです。

あぁ、この記号なんだっけ?

ロゴをひとしきり味わったところで、さぁさぁとサイトを眺めていて、次に気になったのが、見出しのそばにぽちぽちと置かれているアイコンでした。

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最初はなんかかっこいいアイコンだなぁぐらいに思ったのですが、よく見ると一つ一つ形が違います。

なんぞこれ???と、見出しの頭文字を図案化したものかな、とか、関係するものを図案化したものかな、とか色々考えてみたのですが、どうも違うっぽい。

う〜ん、なんだろうこれ?と考えているうちに、そういえば昨年末に読んだ北村薫の短編集*1に、こんなような5本の縦棒と横線を組み合わせた記号が出てくる話があったことを思い出しました。

確かにあれはなんか古典に関係する話だった気がするのでアーカイブのサイトで使われていてもおかしくない、と思ったものの、どんな話だったっけ?と思い出すのに一苦労。短編集をググって、その記号が出てきたのがどの短編だったのまでかは思い出せたけれど、流石に短編の一つについて詳細な説明を書いているページは見当たらない。

しばらくう〜ん、う〜んと考えていたのですが、人間考え込むと意外と思い出せるので、ある瞬間、ロマサガのピコーンばりに「香道だ!」と閃きました。

そこからはもう一直線で、「香道 記号」で検索、アンサー「源氏香の図」に至り、確認してみると、やっぱりジャパンサーチで使われているのはこの記号。脳汁ドバドバでした。

ja.wikipedia.org

源氏香の図というのは、全部で52個あり、一つ一つの記号が源氏物語の帖と対応しているという雅なものなのですが、スクリーンショットで貼ったものは、上から「紅葉賀」「匂宮」「篝火」となります。

私は教養がないので、この源氏物語の各帖とそれぞれの見出しの内容に関連性があるのかないのかまではわかりませんが、そんなことはどうでもよく、この記号がなんだったか、ということを思い出せただけで最高に気持ちよかったのでした。

フォントの気持ち

せっかくなので、サイトで使われているフォントも調べてみようと思い、確認したところ、"Yaku Han JP"というフォントが使われているようでした。

yakuhanjp.qranoko.jp

こちらのフォントはNoto Sansをベースに、「」や()などの役物を、半角にしたフォントいうことで、確かによくみると半角になっています。

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自分もOfficeのソフトウェアを使うとき、「行頭の記号を1/2の幅にする」のオプションにチェックを入れないと気が済まない質なので、このフォントすごいいいなぁと思います。(スクショの文章は両端揃えにしてもいいかも。)

終わりに

さて、肝心の使い心地についても、いろいろと書きたいことはあるのですが、ここまで書いて、もう2時近くということで、そろそろ力尽きそうなので一点だけ特筆すると、

めちゃめちゃ速いです。

自分は検索の内部の仕組みとか全然わからないのですが、検索はもちろんのこと、ページネーションの切り替えとか絞り込みとか、とにかく画面遷移がドチャクソ速いです。

感覚的には「NDLラボサーチ」を触ったときの感動に近いなぁと思って、NDLラボサーチを触ってみたら、残念ながら今は検索結果が表示されないようでした。

lab.ndl.go.jp

とにかく速さがすごくてビューンなので(語彙力)、ぜひ皆さんも体験してみてください。

他にもいろいろと思うことはあるのですが、リアル「この分野は素人なので」なので、こんなところに書くのもおこがましいです。

現在、ベータ版ということで、フィードバックも募集中らしいので、皆さんも使ってみてお気づきのことなどあれば、そちらにお寄せされると良いのでは、と思います。

書きたかったことはだいたい書けました。

お相手はやわらか図書館学でした。

参考

current.ndl.go.jp

www.itmedia.co.jp

mainichi.jp

news.nicovideo.jp

www.janul.jp

*1:ネタバレになるので、一応タイトルは伏せます。