今月は金曜ロードショーで「Back to the Future」(以下、BTTF)をやっているということで、BTTFに関する話題が多く、嬉しい限りです。私、オーケストラコンサート上演行くくらい、BTTF好きなんですよね。
というわけで図書館と絡めて何かできないかと思って、1980年代の図書館系の雑誌で語られる「図書館の未来」像などいろいろ見ていたんですが、どうしても浅い紹介になってしまいそうでしたので、客観的な情報をと思い、雑誌『大学図書館研究』の1980年代と2010年代の記事のタイトルを形態素解析して、単語の出現頻度から傾向を調べてみました(結局浅い話なのですが)。
形態素解析の結果

1980年代の記事と2010年代の記事を形態素解析して、単語の出現回数をグラフにした結果がこちら。詳しい条件は以下のとおりです。
- J-stageに掲載されている各年代の記事から「編集後記」を除いたものをmecabで形態素解析
- 1980年代は16巻から34巻、2010年代は88巻から113巻を対象
- 出現回数5回以上の名詞のうち、2文字以上のものをグラフ化
分析結果
目視でパラパラと見ていたときから、1980年代は電算化の話題が多い、2010年代は話題が多様化しているなぁとは感じていたのですが、グラフにするとその傾向が現れている気がします。
と、なんとなく書くことを考えていたのですが、ChatGPTのo1にこのグラフを見てもらったところ、以下のような分析結果を返してくれて、100点満点なので私から何か書く必要ないなと思いました。。
ChatGPTによる分析結果
とても興味深いデータですね。グラフを見比べると、1980年代には「システム」や「自動化」「オンライン」「ネットワーク」「データベース」のようなキーワードが上位に入っていて、図書館の電子化・機械化へ向けた流れが色濃く表れているように感じます。カード目録からOPACへ移行していく過程や、図書館内のネットワーク整備など、情報技術の導入が大きなテーマになっていた様子がうかがえますね。
一方で2010年代になると、「コンソーシアム」「国際」「リポジトリ」「デジタル」「アクセス」「ラーニング・コモンズ」のように、大学図書館がより広い連携やオープンな情報発信に注目していることが見てとれます。国際的な議論や学術コミュニケーション、学生の学習空間の提供といったキーワードが目立っているのは、図書館の役割が「蔵書の管理」から「多様な形で学習・研究活動をサポートする場」へと大きく広がってきたことを示しているようです。
また、1980年代には紙の資料や図書の扱いに関わる言葉が目立つのに対して、2010年代ではデジタル情報や電子リソースの活用が、より多く取り上げられている印象があります。学術情報流通のデジタル化が進み、オープンアクセスや学術リポジトリのようなサービスが当たり前になりつつある流れを反映しているのでしょう。
こうして両年代を比べると、図書館が情報技術の導入段階だった1980年代から、利用者主体で国際的にもつながり、多様な学習・研究支援を担う2010年代へと進化している様子がよくわかります。研究や学習を支えるために、大学図書館の活動範囲がぐっと広がってきたのですね。とても興味深い変化を読み取ることができて、素晴らしい分析材料だと思います。これからもどんどん新しい視点で研究が広がっていきそうで、わくわくしますね。応援しています。
数値的に分析してくださいと無茶振りした結果はこちら。ICOLCは定期的に会合報告が書かれているのでどうしても上がってしまいますが、傾向としては書かれているとおりかと思います。特に"総評"は100点で、私もこういうコメントできるようになりたいです。
傾向のざっくり比較
情報技術関連:
1980年代は約21% → 2010年代は約5%
⇒ 1980年代はオンライン化や自動化への関心が非常に大きかったのに対し、2010年代には導入が進んだ結果、単語としての存在感は相対的に落ち着いた印象です。国際・コンソーシアム関連:
1980年代は約1~2% → 2010年代は約9%
⇒ 国際的な連携やコンソーシアム、ICOLCなどが一気に注目度を上げており、世界規模で図書館が協力・情報交換する流れが数字にも表れています。研究・学術関連:
ざっくり11% → 約5%前後
⇒ 2010年代はワードとしては一見割合が下がっていますが、「図書館」「大学」などとセットで論じられるケースが増えている可能性もあるので、一概に関心が下がったとは断定できません。単語の選ばれ方が変化しているだけかもしれません。総評:
1980年代は「電子化・機械化」への大きな期待が数値に表れており、2010年代は「国際連携」「オープンアクセス」「リポジトリ」など、“つながり”や“学術成果の共有”に関わるキーワードが増えたと読み取れます。
もっと詳しく知りたい方は
このグラフを作成したところで「そういえばこういう論文あったな…」と思い出してしまい、調べてみたところ、まんま『大学図書館研究』の論題の主題分析でした。
こちらの論文では、もっと広い範囲の論文タイトルを丁寧に主題分析をして、各年代ごとに傾向をまとめられているので、より詳しく知りたくなったという方はぜひご覧ください。
ちなみにサラッと形態素解析してみました、とか書いていますが、私自身はpythonをきちんと触ったことはなく、全然わからない状態から、pythonの環境構築、mecab(形態素解析のモジュール)を使えるようにする、タイトルリストの作成、読み込み、結果の出力方法など、全部ChatGPTに手取り足取り教えてもらいながら、なんとかできるようになったという感じです。
どのくらい私がpythonミリしらかというのは、以下の対話を見ていただくとわかると思います。

対話ログを公開したいところですが、ローカル環境のディレクトリ名に名前が入っているのでそれはできず。。タイトルリストの作成の対話については、それがないので公開します。よちよち感がすごいです*1。
https://chatgpt.com/share/67adb1ce-8668-8000-a96f-7e3890df0c5a
機会があれば、今回の経験もまとめたいと思います。
形態素解析の仕方を覚えたので、これからいろいろやってみたいなと思いますが、手取り足取り教えてもらってると、これ多分別に人間がプログラム走らせなくてもAIは全部できるんだろうなと感じ、結果分析も含めてボトルネックは私なのでは…という気持ちにもなりました。
お相手は、やわらか図書館学でした。
*1:その後調べたら割と簡単にCiNiiRのopensearchでタイトル取得できました…