
今年は十数年ぶりに、図書館総合展でL-1グランプリが開催されました。
L-1グランプリとは、若手ライブラリアンがチームを組み、「図書館の未来像」をお題に沿って考え、発表するワークショップ企画です。
今回のお題は「図書館の実空間とデジタル空間をどのようにつなげるのか」でした。
残念ながら現地で最終選考を見届けることはできなかったのですが、公開された開催レポートを読んでみると、どの提案もおもしろく、刺激的だったので、自分用のメモも兼ねて印象に残った点を書き残しておこうと思います。
自分の頭の硬さに気づかされました
L-1グランプリの開催が発表されて、ちょっと参加してみたいかもと思ったものの、私は残念ながら年齢要件を満たしていなかったため、参加できませんでした。
ただ、開催レポートを見ると、仮に参加できたとしても最終選考まで残れなかっただろうと思います。
実際、お題に沿って考えてみたりもしていたのですが、最終選考に残っていた方々の発表と比べると、やっぱり理詰めで考えすぎて、柔軟な発想に至れていなかったなと思います。
こんな名前のブログをやっていますが、頭がガチガチに硬い、タクティクスオウガのLawかChaosで言えばLawな人間であるという自覚はあったものの、改めて自分の頭の硬さに気づかされました。
発想のカギは「図書館×〇〇」?
どのチームの提案にも共通していたのは、「図書館×〇〇」という構図でした。
たとえば「図書館×サウナ」「図書館×引越し」「図書館×オーラ」など、図書館とは一見関係のない要素を組み合わせることで、新しい切り口を生み出しているのが印象的でした。
一見関係なさそうなものを組み合わせて結びつけるというのは、アイディアの発想法として有名ですが、改めてその有効性に気づかされます。
もちろん、そうした意外性だけではなく、そこから図書館に関係する地に足のついた企画に結びつけるというところが重要なのだと思いますが、発想のスタートとしてはそちら側から考えるのは有効かなと思います。
ここで、たとえば「図書館×〇〇」と自分なりの例を示せるといいのですが、凡庸さを露呈することになりそうなのでやめておきます。
「図書館×路線図」にワクワクしました
個人的に一番興味を惹かれたのは、「りぶらコネクターズ」さんの「知の路線図 LibLine」です。
「さまざまな図書館や情報資源を路線図でつなぐ」という発想で、先ほどの例で言うと「図書館×路線図」ということになります。
まずこの発想が、今まで自分の人生のなかで一度も頭をよぎったことがないもので、純粋にとても新鮮でした。
自分はこんなブログをやっている関係上、日常生活で図書館のことを考えることが人より多少は多いと思うのですが、電車に乗って路線図を眺めていても、図書館を路線図のようにつなげるなんてこと、思ったことがありませんでした。
また、この「図書館を線でつなぐ」という発想が、グラフィカルな面でもとても魅力的です。地図上の点と点でしかなかった図書館を、線でつなぐことで関係性を浮かびあがらせ、新しい情報を視覚化する。想像するだけでゾクゾクします。
統計やグラフなど、こういう情報の見える化が大好きです。
おわりに
今回は、会場で直接プレゼンテーションを聞いたわけではなく、公開されたレポートを通して内容を知っただけなので、どうしても浅い感想になってしまっていますが、それでもとてもたくさんの刺激が得られました。
今後、自分が仕事なりブログなりで何か新しいことを考える際には、筋を通して考える部分と、柔軟な発想をする部分の両方を、もう少し上手に使い分けられるようになれたらいいな、と思います。
お相手は、やわらか図書館学でした。