次回予告
平和な学園の人もまばらな図書館に、またしてもネオ・バグフォードの改造人間が送られてきた。
分類番号を無視して、無秩序に積み重ねられて行く本の山。これでは見たい本をすぐに取り出すことができない。更に一般生徒のノートや教科書までが書庫の中に紛れ込んでしまう。どうするぼくらのビブリオン。
部の再興に励む少年の夢を、ビブリオンはサポートできるのか?
次回、図書館戦隊ビブリオン
「逃げ出したノートを追え」
君の知的好奇心に、レファレンスアターック!
長らくamazonのウィッシュリストに入っていた『図書館戦隊ビブリオン』を、この度購入し、読み終えましたのでご紹介します。
悪の組織に狙われた学校図書館を、図書委員が図書館戦隊となって守るというお話で、冒頭に引用した「次回予告」をご覧いただければわかるとおり、シリアスな内容は一切なく、お気楽な学園コメディものです。全体的にいかにも90年代っぽいノリなので結構好みは分かれると思いますが、私はこういうノリは平気です。さらっと楽しく読めました。
今から20年以上前の1998年にコバルト文庫で出版されたということで、かなり古い本ではあるのですが、私がライトノベルを読んでいたのはそれよりも前なので、比較的新しいライトノベルのようにも感じます(from my perspective)。
筆者の小松由加子さんは、あとがきによると「大学では図書館司書課程を履修して、図書館学研究会というサークルに入った上、その大学の図書館でアルバイトまでして」いたとのことで、文章のそこかしこで「こちら側」感があり、安心感を持って読むことができます。図書館用語がいろいろと出てきますが、変に力が入っていなくて、わかっていてふざけている感じがあって好みです。
まだ電子化されておらず、古本でしか流通していないようですので、やや入手難ですが、結構所蔵している図書館も多いようですので(著者のご出身大学の熊本学園大学でも所蔵されています)、気になった方はぜひ手に取ってみてください。
ちなみにそもそもなぜこの本をウィッシュリストに入れていたかというと、挿絵のイラストが私の好きな漫画『フランケンシュタインズ・プリンセス(ガンガンファンタジー連載)』のたつねこさんだから、です。
お相手は、やわらか図書館学でした。