やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

ポスター等の仕上がりに大きく差が出るカーニング

今回はポスターなどの広報物を作成する際に、意識するのとしないのとでは仕上がりに大きく差が出てくる「カーニング」について、実例を作成しながら見ていきたいと思います。カーニングってなんじゃらほい?という方も多いと思いますが、下記のエントリー等でとてもわかりやすく解説されていますので是非ご参照ください。

それでは、早速実際のカーニング作業を見てみましょう。
下記はおなじみのフォント「Century」で、「Library」とベタ打ちをした画像です。まずは、こちらをじっくりとご覧ください。

いかがでしょうか、このままでも十分きれいなようにも思いますが、よ〜く見てみるとなんとなく全体的に文字間が開いている、特に「r」の前後が空いていて若干間が抜けている、ように見えてこないでしょうか(「Century」の場合、見慣れすぎているので余計に垢抜けていないように見えてしまうというのはありますが)。
次に、同じく「Library」の気になる箇所をカーニングしてみたのがこちらです。

どうでしょう?もう一度上のものと見比べてみてください、上のものと比べて、単語してのまとまりもよく、締まった感じがしないでしょうか。これがカーニングの「力」です。カーニングを行うことで仕上がり感が大きく変わることが、よくわかります。
今度は、カーニングを行う場合と行わない場合で、ポスターの仕上がりがどのように変わるか見てみたいと思います。
カーニング前

カーニング後

いかがでしょうか、なんとなくカーニング前のほうがバランスがいい気がしますが(詰め過ぎたかな?)、きっと気のせいです。自分もまだまだ練習中の身のため、自分で髪を切ると往々にして切りすぎになってしまうのと同様、こっちを詰め、あっちを詰めしているうちにどうしても詰めすぎになってしまうんですよね。まぁ、それはともかくとしてカーニング後のほうが、「No」や「bra」のあたりが締まっていて、上質感が出ているような感じに見ていただけましたら幸いです。
とここまでカーニングで文字間を詰めるということの重要性を見てきましたが、もちろんただ詰めさえすればよいというわけではなく、目指すイメージによって、文字間を開く場合もあります(基本的に「緊張感」を出したいときは狭く、「柔らかさ」を出したいときは広く、文字間を調整します)。
ただ、この場合もカーニングで個々の文字間を調整したあとにトラッキング(全体の文字間の調整)を行うことで全体のバランスがよくなりますので、カーニングの重要性は変わりません。カーニングは、あくまで全体の文字間から見て違和感のある箇所の調整、といったことが言えるのではないかと思います。

いかがでしたでしょうか。作例はちょっと微妙な感じでしたが、意識して練習していくことでどんどん上手になっていくものだと思いますので、ポスターなどの広報物を作成する際には気をつかいたいところですね。
それでは。