やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

大学図書館員にとってのレファ協!?『医学図書館』の「レファレンス事例集」がおもしろくてタメになる

ご存知の方には今さらなお話かと思いますが、日本医学図書館協会の機関紙『医学図書館』に毎号掲載されている「レファレンス事例集」がすごくおもしろかったのでご紹介まで。

職場に置かれていた『医学図書館』の表紙に、以前から気になっているドイツのドキュメントデリバリーサービス「subito」の文字を見つけて開いてみたところ、その記事はもちろんのこと、もう一つ掲載されていた事例もとてもおもしろく、「これは!」と過去3年分くらいのバックナンバーを一気読みしてしまいました。

どういう事例が掲載されているかを少しご紹介すると、直近の3号分は以下のとおり。

Vol. 39 No. 3

subitoを利用したドイツ語文献の取り寄せ / 村瀬 由紀子

あやしい学術雑誌評価ウェブサイトについて / 堀米 拓哉

Vol. 39 No. 2

HathiTrust収録の文献取得について / 塩原 則子

Vol. 39 No. 1

最近の1年間でパーキンソン病に関する論文が多い国について知りたい / 山上 朋宏

心理検査マニュアルの一部を海外から複写取寄せした事例 / 石川志愛里,上田知寿子

もちろん『医学図書館』なので臨床系のレファレンスも多いのですが、それにとどまらず、自分も似たような問い合わせを受けたことがある、あるいは同じような問い合わせを受けたら自分だったらどうするかを考えさせられるような事例が多く、とても勉強になります。臨床系の事例も、調べ方という点では、他の自然科学系に通じるものもありますし。

レファレンス協働データベースをよく見ていますが、そこに掲載されているような一般的なレファレンスを受けることはほとんどないので、どこか別の世界の話として楽しんでいる感じですが、こちらの事例集は、大学図書館ならではといった感じで、使われているツールも馴染みが深いものが多く、大学図書館員である自分としてはより実践的という感じです。

書かれている文章も、うまく言えないのですが「こんな事例があって、こんな風にズバッと解決しました!」といった感じではなく、いい意味でとても自然体で、「こんな事例があって、こんな風に試行錯誤したので、ご参考に共有まで」といった感じで、とても共感できて読みやすい感じが素敵です。

残念ながらオープンアクセスではありませんが、購読されている館は多いと思いますので、まだご覧になったことがないようでしたら、ぜひご覧になってみてください。

お相手はやわらか図書館学でした。

参考

jmla1927.org

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