新しいKindle Paperwhiteはその人たちのものである。
というわけで、数日前のニュースになりますが、新しいKindle Paperwhiteが発表されました。日本では10/22発売とのことです。
なんでもページめくりのスピードが速くなり、保存できる容量も約2倍になるとのことで、今のKindleの数少ない欠点が解消された素晴らしい機種になるようです。
とはいえ、数ヶ月前にKindleを買ったばかりの自分は、さすがに新しいのに買いかえるというわけにもいかないため、これからKindleを買うという人が心底うらやましく、冒頭の一文となったわけです。サターンを買った直後にプレステでFFが発表されたときの苦い記憶がよみがえります。
と、これだけですとただの自分のうらみごとになってしまいますので、Kindleで読めるオススメの青空文庫をひとつご紹介したいと思います。(Kindleじゃなくても読めますが。)
図書館法成立時、日本図書館協会の理事長に就かれていた中井正一氏の文章ということで、内容もさることながら、下記の引用に示すような、美学者でもあった氏の美しい文章が堪能できる一篇です。
この度の図書館法も、このしめやかではあるが、堂々と流れる大河の寂けさに似て、そのもつ政治力は、ゴーゴーの声で通っている幾多の法案よりも、遙かに遙かに巨大な法案なのである。なるほど財的保障はあるかなきかにささやかである。しかし、一本の芽は、決して、ガラスのかけらではない。それは伸びゆく生ける芽である。百年の後には、しんしんと大空を摩す大樹となる、一本の芽である。私達はこころから、この法案の通過に和やかなる拍手を、遠い遠い文化の未来に向って送るものである。
くしくもKindleの語源は、英語のKindle、つまり「〈火を〉おこす, たく, 点火する」。そんなKindleで図書館法成立の火についての文章を読むというのも一興ではないでしょうか。
それではでは。