図書館のウェブサイトのトップページで何を検索対象とするか、具体的にはOPACにするかディスカバリーサービスにするか、というのは、そのままユーザーの検索行動に直結し、議論が分かれるところかと思います。
ということで、実際のところみんなどうしてるんだろうと思い、アジアのトップ大学*1の図書館ウェブサイトのトップページでは、何を検索対象にしているか調べてみました。
調べかたと結果
- Times Higher Education Asia University Rankings 2017のトップ50大学について調べました。
- 各大学の図書館ウェブサイトのトップページにある検索窓で検索しました。
- 検索窓にタブやラジオボタンがある場合、デフォルトの設定で検索しました。
- 複数検索窓がある場合、資料検索と思われる方を選びました。
- 資料検索と思われるものが複数ある場合、より左、より上のものを使用しました。
- なぜ世界ではなくアジアのトップ大学かというと、アジアのランキングであれば日本の大学も多く含まれてるので比較がしやすいと思ってというのは嘘で、THEのアジアランキング発表のニュースを見て思いたったからです。
*データの正確性には万全とは言わないまでも、それなりに注意していますが、間違いがありましたらご容赦ください。
トップページからの検索に使われているツール
- Primo, Summon, EDS及び論文がヒットしているものを「DS」としました。
- 上記のうち、検索対象を図書館の蔵書(含E-Resource)に限定しているものを「DS-Cat」としました。
- いわゆるOPACと思われるものを「Catalogue」としました。
- トップページに検索窓がないものやよくわからないものを「Other/None」としました。
- あくまでトップページから検索した結果ですので、「Catalogue」に分類されている大学が、ディスカバリーサービスを導入していないという訳ではありません。
ディスカバリーサービスの種類
- おまけとして、上記のDS,DS-Catに分類された26大学で使用されているディスカバリーサービスを種類ごとに集計しました。
- Primo, Summon, EDS以外は寡聞にして見分けられないため「Other」としました。
- 「DS」「DS-Cat」に分類された大学以外でもディスカバリーサービスを導入している大学はありますが、それらは集計に含まれていません。
寸感
- 自分は、少なくともトップページの検索は「Catalogue」あるいは「Catalogue」に限定したDSのほうが使い勝手がいいのでは、と思ってるのですが、結果を見るとDSとおよそ半分ずつぐらいということで、やっぱり分かれるところなのかなぁという印象です。
- どちらのほうが使いやすいか、おそらくユーザーを対象とした調査も行われている気がするので、ちょっと調べてみようと思いました。
- ゆうてもどっちがいいかは、利用者構成とかにもよるわいね、と思うと同時に、図書館側が図書館をどういう風に使って欲しいかということにもよるのかなと。
- 個人的にはSummonのほうがUIが好みなので、Summonのほうが少ないのはちょっと意外でした。
- 国別に見ると日本の大学は(ディスカバリーサービスを導入しつつ、トップは「Catalogue」としているものも含め)「Catalogue」が多い印象です。
ありがとうございました。
参考
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*1:Times Higher Education Asia University Rankings 2017による