やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

新しくなったWINEとKOSMOSの所感

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格ゲーの新キャラ登場並に楽しみにしていた早稲田大学と慶應義塾大学の図書館システム共同運用が9月2日より始まりました。

以前もちらっと書きましたとおり、(多分)本当にローカライズが大変だったと思われる業務システム(Alma)部分は、何も見ることができないので、誰でもアクセスできるディスカバリー*1部分(Primo)について、触ってみた感想を書いてみたいと思います。

以下、スクリーンショットはそれぞれ下記の出典となります。

WINE: https://waseda.primo.exlibrisgroup.com/

KOSMOS: https://search.lib.keio.ac.jp/

意外と違うWINEとKOSMOS

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WINEとKOSMOSそれぞれの画面です。
システムの共同運用と聞いて、あまり深く考えずに「システムは共有で一つ」とイメージしていたんですが、ご覧のとおり、内部的な仕組みはわかりませんが、少なくとも見た目上は、別のシステムなんだなぁというのが、少々意外でした。

2019.9.10追記: id:kitone さんのブコメをうけて、WINEとKOSMOSそれぞれのドメインをnslooupしてみたどちらも同じIPアドレスでした。

それぞれ触ってみると、細かい機能が微妙に違っていて面白いです。

早稲田と慶應の両方を検索できる(でも検索結果は異なる)

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ファセットに「所蔵機関(機関名)」という表示があり、早稲田・慶應どちらの大学のシステムでも、お互いの蔵書が検索にヒットしていることがわかります。

共同運用「っぽさ」を感じられる部分です。

ただ、上記の画面は同じ検索キーワードで「図書」に限定して検索しているところですが、微妙(?)にヒット件数が違うところが気になります。

突き詰めれば、どういう違いが出てきているのかはわかりそうな気もしますが、そこまでは調べていません。学内限定の検索でしかヒットしない配架場所があったりするのかなぁと推測しますが、はてさて。

検索対象も違います

ディスカバリーといえばデフォルトの検索対象を何にするか、というのが軽い宗教論争を巻き起こすところですが、意外なことにこのWINEとKOSMOSも、ウェブサイトのトップページから検索した際の検索対象が異なりました。 

WINEをウェブサイトから検索をしたときは、検索範囲として「全てを検索」が選ばれており、KOSMOSでは「所蔵資料と電子資料」が選ばれています。

恐らくWINEの方はディスカバリー的な検索結果、KOSMOSの方はCatalog的な検索結果を想定されているのではないかという気がするのですが、この辺り、微妙に正しく機能していない気もする(WINEは論文・記事検索がヒットしない)ので、実際のところどういう挙動が正しいのかは不明です。

2019.9.10追記:検索範囲を変更すると検索できない不具合がアナウンスされてました。(解消済?)

https://waseda-jp.libguides.com/c.php?g=917854&p=6619564&t=35563

新しくなったPrimoについて

以前からExLibrisのフォーラム等で画面だけは見たことがあったPrimoの新しいバージョンが、日本語で、触れるようになったというのも大きな目玉です。(他の大学で導入実績あったらすみません。)

PrimoというとSummonと比べて、文字が小さく詰まっているなど、かなり見づらいという印象(失礼)があったのですが、新しいバージョンは字も大きく、今風なデザインで(少なくとも図書館員目線では)かなり使いやすくなった印象を受けました。

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ちなみに、話がマニアックなほうに行きますが、上記のとおり、検索結果一覧の書誌情報の書式も、種別の文字の大きさが違ったり、シリーズ名の扱いの大きさが違ったりと2大学で異なります。

個人的にはKOSMOSのほうが、目立たせる情報が絞られていて好みです。

詳細画面はなぜか苦手

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デモ画面を見たときから詳細画面がかっこよくていいなぁと思っていたのですが、今回、触っていて自分でも理由がよくわかりませんが、見ているとなんとなく頭がムズムズするなぁと感じてしまい、一度そう思ったら少し苦手になってしまいました。
下地がチョロ見えしている部分と書影が表示されているカラムが窮屈そうな感じがそうさせるのかなぁと思うのですが、正確なところはよくわかりません。システムの問題ではなく、個人的な問題です。

かっこいいのは間違いないです。

 

他にも色々と書きたいや試してみたいことはあるのですが、キリがなさそうなので、一旦このへんで終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

最後に、冒頭書きましたとおり、学外から触れる部分は共同運用のほんの一部分だけなので、Alma部分ももっと見たいなぁ、詳細知りたいなぁと思った方も多いのではないかと思います。 

そんな皆さんへ朗報です。

www.waseda.jp

上記の記事によると、

2020年2月25日(火)には早稲田大学国際会議場井深大記念ホールにて、システム共同運用に関する合同シンポジウムの開催を予定しています

とのことですので、こちらのシンポジウムに参加すると詳しいお話が聞けるのではないかと期待しています。

 

浅い感想で不快なところがありましたら申し訳ありません。

お相手はやわらか図書館学でした。

参考 

current.ndl.go.jp

*1:もはやそう呼ぶのが適切でない気もしますが