やわらか図書館学

主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです。

図書のリクエストで思い出す季節はおっくせんまん

 

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お正月の楽しみといえば新聞と一緒に届く大量の折り込みチラシです。家電のチラシもおもしろいですし、中古車のチラシでいろんな車種を見るのも楽しいです。中でも、ゲーム屋さんのチラシは格別です。

あれはまだ自分が幼稚園生か小学校低学年の頃のお正月、こたつに潜りながら、ゲーム屋さんのチラシを眺めていると、父がイトーヨーカドーのゲームの中古市に連れて行ってくれました。

その時の中古市は、ワゴンの中に空箱がいっぱい入っていて、その中から欲しいソフトの空箱をレジに持っていくというスタイルでした。いわゆるワゴンセールです。ワゴンセールなんて今では珍しくもなんともないのですが、幼い自分の目にはとても心躍るすばらしいものに写りました。(実際、最近のワゴンセールとは店側の意味付けも全然異なるものであったのだろうと思います。)

ワゴンの中から自分が選んだソフトは、以前、兄の友達がうちに持ってきて、とても面白かった「ロックマン」です。我ながら子供の頃の自分を褒めてあげたいナイスな選択です。いいソフトが選べたと喜んだ自分は、欲しいゲームが手に入る前の独特の緊張感を胸に、「ロックマン」の水色の空箱を持って、父とレジに並びました。

ようやく自分たちの順番となり、「ロックマン」の箱をレジの人に渡すと、レジの人はしばらくソフトを探した後、こう言いました。

「申し訳ありませんが「ロックマン」は売り切れてしまっていて、それより新しい「ロックマン2」ならあるんですが、それでもいいですか?」

「それでいいか」と確認する父に対して、「それでいい」と答える自分。「2なんて出てたんだ!まさかそんな新しいソフトが買ってもらえるなんて!!」と、思いがけない幸運に天にも舞い上がらん気持ちでした。あとになって考えれば、店員としては当然「2でもいいか」という聞き方になるのですが、幼かった自分は「2のほうがいいに決まっているのに、この人はなんでそんなこと聞くんだろう」ぐらいに思っていました。坊やだからです。

残念ながら、その日は親戚の家に泊まりがけで出かけることになっていたため、「ロックマン2」は翌日までお預けでした。待ち遠しくて、折りたたみ型の説明書をじっくり読み込んでいたことを今でもよく覚えています。

 

図書の購入リクエストに対して「もっと新しい版のものも出ているようなんですが、そちらでもいいですか?」という確認のメールを出すたびに、このときのことを思い出します。とても懐かしく、ノスタルジックな思い出です。過ぎ去りし季節はおっくせんまんです。

ありがとうございました。

 


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