2020年以降のNACSIS-CAT/ILLの変更について「これからの学術情報システム構築検討委員会」から最終まとめが発表されたので、自分の頭の整理も兼ねて、以前に作った図を更新してみました。
VOL積みのこれから
兼ねてからの発表のとおり、新規のVOL積みは行わないということなので、こんな感じでしょうか。
今回、(多分)新しい情報として"CAT2020 移行日前に登録された複数のVOLグループを持つ書誌データと、CAT2020 移行日以降に出版物理単位で新しく作成した書誌データ"は並立データとして扱い、"並立書誌データ同士と判定された書誌IDはRELATIONテーブルに"登録する、ということが書かれてました。
確かに、上記の書誌のまま、素でOPACに出すと、「VOL積みしている書誌」と「してない書誌」が、同じタイトルでずらっと(上の図のでいうと4書誌)OPACの検索結果一覧に並ぶことになるかと思います。NACSIS-ILLやCiNiiは検索の際にまとめるようですが、各大学のローカルのOPACもRELATIONテーブルを参照して*1まとめるかどうか、あるいはどう見せるか、ということが今後のILSベンダーとの協議課題の一つということになるんでしょうか。(個人的にはまとめなくてもいい気もします。)
バランスしない親子のこれから
以前に作った際はバランスしない書誌の扱いが不明だったのですが、今回"バランスしない書誌構造は廃止する"ということが明記されてました。
"ただし、すでにバランスしない書誌構造を持つ書誌データを親書誌データとして リンク形成している書誌構造リンクは、このリンク関係を解消する必要はない。書誌構造リンクを形成する場合は、VOL フィールドが記録されたバランスしない書誌構造をもつ書誌データとは別に、新しく親書誌データを作成して書誌構造リンクを形成する"ということなので、こんな感じになるんでしょうか。
個人的には「バランスしない書誌」という語感が好きだったので、やや寂しい気もしますが、名前の通りバランスが悪いからやっぱりない方がいいのかなとも思います。
ちなみに、バランスしている普通の親子書誌の場合ですが、こんな感じ↓になるのかなぁと思います。「まとめ」には"従来どおり親書誌データを作成し、リンクを形成することもできる"と「作成」のことしか書いてありませんが、図書館総合展のフォーラムでは既存の書誌につけるのもOKという話がありました。
ということで、自分の気になった点をまとめてみましたが、例のごとく、まだまだ読み込んでおらず、自分の理解が間違っている可能性も大いにありますので、前回同様…
この先は君の目で確かめてくれ!!(攻略本風)
ありがたいことに図書館総合展でのフォーラムの動画も上がっております。
図書館総合展2018横浜フォーラム 10/31 10:00~ これからの学術情報システムの在り方:2020年とその先へ
お相手はやわらか図書館学でした。
*文中の図に記載の書誌・タイトルは架空です。
*文中の ” ” 部はすべて「NACSIS-CAT/ILLの軽量化・合理化について(最終まとめ)」からの引用です。
参考
- 「NACSIS-CAT/ILLの軽量化・合理化について(最終まとめ)」の公開について
- 画像に使用したピクトグラム:human pictogram 2.0
- 画像に使用したフォント:うずらフォント
- アイキャッチ:Photo by Pexels · Free high quality stock photos
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*1:参照できるか不明ですが。定期的にRELAIONテーブルをローカルに落とす形になるのかしら?